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日本エンジェルズ・フォーラム、第66回「ベンチャー起業家・投資家お見合い交流会」開催 一般社団法人日本エンジェルズ・フォーラム(略称・NAF、代表理事・井浦幸雄氏、本部・東京都港区元赤坂)は9月24日、第66回「ベンチャー起業家・投資家お見合い交流会」を開いた(写真参照)。同会は創業期のベンチャー企業に投資しようというエンジェル(個人投資家)の前で、ベンチャー起業家が自らのビジネスプランを発表し交流する会。日本は欧米に比べてエンジェルが少なく、それがベンチャー企業が増えない一因とも指摘されているが、同フォーラムは中堅・中小企業の創業経営者、オーナー経営者をはじめ、大企業の役員や役員クラスのOB、公認会計士、税理士、弁護士などを会員に組織し、2000年1月に第1回交流会を開いて以来、10年以上にわたって活動。エンジェルとベンチャー企業の出会いの場を通して、ベンチャー企業の成長を支援するとともに、エンジェルのネットワーク拡大にも取り組んでいる。 延べ432社がビジネスプラン、資金調達の入り口の役割果たす 交流会は2カ月ごとに開かれ、ここ3回の交流会で発表した起業家が目指す事業を見ると、「栄養とおいしさを保持した加工食品の開発」、「遊休農地の市民農園への再生」「光コム(光のクシ)を用いた測定器の製造」「カーボン・オフセットを活用したCSR(企業の社会的責任)活動の企画・運営」「セルフ型レンタサイクルのシェアリング」「時間・地図連動型リアルタイム情報配信システムの提供」「レセプト(診療報酬明細書)の点検・分析サービス」など、いかにもベンチャー企業らしく、今後成長が期待される分野が中心で、毎回、4〜5社が発表している。同時に、以前発表した起業家も2〜3人参加し、「近況報告」をするなど、フォローアップも重視しているのが特徴だ。 「プロ・エンジェル」が発表企業を事前に審査するなど慎重に運営 しかも、フォローアップだけでなく、まず発表を希望する企業に対しては、NAFの会員の中でビジネス経験が豊富な「プロ・エンジェル」が事前にその企業を訪問するとともに、発表するビジネスプランの中身についても、過大にならないように審査している。 また、交流会では参加したエンジェルにアンケートを取り、発表した起業家に対して、「さらに詳しい話を聞きたい」「支援したい」といった声が寄せられた場合には、再度、説明会を開くなどして投資に結び付けている。 同時に投資するには、NAFの会員(エンジェル会員)になることが必要で、それには「既会員2名の紹介、または(身元を確認できるような)所定の資料をそえて登録申請し、理事会の承認を得る」と定めるなど、投資を受ける側にも、投資して株主になる側にも一定の条件を課し、問題が起こるのを防いでいる。 全国連も結成、エンジェル税制の改正でも成果 日本エンジェルズ・フォーラムの井浦代表理事は日本銀行 国際通貨基金(IMF)、国際決済銀行などに勤めた国際的な金融マンで、「バブル経済崩壊後の日本経済を活性化するには、ベンチャー企業が増え成長することが重要だ」と99年11月に同フォーラムを設立。フォーラムの最高顧問で、井浦氏の日銀の先輩でもある田口義孝氏(日銀考査役の後、協和銀行=現・りそな銀行=専務、あさひ銀総合研究所=現・りそな総合研究所=代表理事など歴任)、理事の藤井淳吉氏(帝人でベンチャー企業の買収や新規事業などを担当、その後、帝人精機常務も歴任)らとともに、全国エンジェルズ・フォーラム連合も結成し、政府にエンジェル税制の改正も強く要請してきた。 08年4月にエンジェル税制が拡充強化されたのも、同連合の運動が原動力の1つになったが、日本のエンジェル税制の利用は、それほど多くはないのに加えて、新規株式公開も09年は19社、うち新興市場は13社と低迷。ベンチャーキャピタル(VC)の投資額もこのところ前年比減で推移していることなどから、現在はエンジェルにとって必ずしも良い投資環境ではない(VCの投資額は財団法人ベンチャーエンタープライズセンターの「2009年度ベンチャービジネスに関する年次報告」を参照)。 地道な活動こそ、エンジェルを増やす だが、あるプロ・エンジェルは「我々が投資して支援し、是非、VCの投資につなげるような橋渡しをしたい」と意欲的に語る。 NAFが実施したエンジェル税制実態調査(06年7月)によれば、日本のエンジェルの年齢は50代、60代、70代が全体の80%。年収は1000万円未満が49%と半分を占める。それだけに、今後、エンジェルの層が広がることも期待される。交流会で発表し、その後、上場した企業はまだ数社と少ないが、意欲にあふれたエンジェルが増えるには、日本エンジェルズ・フォーラムのような地道な活動が欠かせないと言えよう。<筆者(松浦)追記=日本エンジェルズ・フォーラムの交流会は今年・2011年1月から中止となり、6月30日に同フォーラムは解散となりました。新規上場環境の悪化、その他の問題からだと思われますが、11年間にわたり続いてきた活動が終止符を打つのは、残念であり、それは、現在(2009年〜2011年)の日本の起業・ベンチャー企業と同支援の状況の一端を表していると思います。2011年夏> ◇ ◇ ◇ 三菱UFJ技術育成財団が助成金交付プロジェクト5件を決定 全国から応募された68件の中から審査 ベンチャー企業の研究開発プロジェクトを支援している財団法人三菱UFJ技術育成財団(理事長・玉越良介氏、本部・東京都千代田区大手町)はこのほど、平成22年度第1回研究開発助成金交付プロジェクトの5件を決定した。 毎年2回、設立や創業後5年以内、あるいは新規事業進出後5年以内の中小企業、個人事業者を対象に公募しているもので、こうした企業や個人事業者が取り組む研究開発プロジェクトの技術面の新規性、事業化の可能性を審査して交付プロジェクトを決定している。今回は68件の応募の中から次の5件を決定した。 株式会社コスモマテリアル(本社・大阪府和泉市、対象プロジェクト・都市ガス用新規ゲルの研究開発=ガス緊急遮断工法用)、株式会社タナカ技研(埼玉県秩父郡小鹿野町、新規膜構成を持つ光学薄膜フィルタの開発)、株式会社バイオベルデ(京都市上京区、再生医療用多能性幹細胞の新規凍結保存液の開発)、宮奥エンジニアリング(広島県府中市、コルヌ螺旋歯型歯車の静音化理論の構築と汎用ソフトウェアの作成)、有限会社メガテック(長崎市、高温可溶化技術を利用した高効率メタン発酵実証プラントによる「島原半島地区家畜糞尿メタン発酵実証試験」)。 1983年から創業期のハイテクベンチャーを支援し成果 同財団は旧・三和銀行が創立50周年記念事業の一環として、1983年に初の民間系ベンチャー支援財団として設立され、以来、主に創業期のハイテクベンチャー企業の研究開発を支援。支援先の中から成長して、10社以上が上場するなど、ベンチャー支援に大きな役割を果たしている。助成金の交付とともに、平成19年度(07年度)までは債務保証を手掛けていたが、現在は年2回、公募により助成金を交付している。これまでに助成金を交付したプロジェクト件数は264、助成総額は約8億3000万円に上る。今年度第2回助成金の公募は10月31日まで。助成金額は100万円以内。 □ □ □ 下條 武男NCD会長著「楽しくダイナミックに! ベンチャー精神貫き、上場実現」 「楽しくダイナミックに! ベンチャー精神貫き、上場実現」(写真参照)は、日本のソフトウェア開発会社の嚆矢として、1967年3月に日本コンピュータ・ダイナミクス株式会社(NCD)を創業した下條武男・同社代表取締役会長(後段参照)が、熱い思いを込めて、創業から現在までの軌跡を振り返るとともに、日本にベンチャー起業が増え発展するには何が必要なのかを語った本です。日刊工業新聞社から今年6月に発行され、全国の書店で好評発売中です。内容は、学生結婚したことから就職、独立・創業の決意、一部従業員の離反、規模拡大を目指した経営計画、バブル経済崩壊による存亡の危機、その克服と再度の成長、2000年9月のジャスダック上場達成、自らが支援したベンチャー企業の成功と失敗例、起業家の条件、ベンチャー企業と大企業との対等なパートナーシップなどです。 清成忠男・法政大学・元総長(日本ベンチャー学会特別顧問)が「下條さんの経営の軌跡は、日本のベンチャー・ビジネスの歴史そのものだ。本書は、その歴史にとどまらず、明日の日本を明るくするパワーにあふれている」と推薦の言葉を寄せて下さっていますが、まさにその通りの本です。 7月27日には、この本の出版記念パーティーも開かれ、160人が参加するなど、会場は文字通り、「明日の日本を明るくするパワー」であふれました(写真はパーティーで挨拶する下條会長です)。 ![]() ◎ ◎ ◎ 「ベンチャー独立宣言X 明日を拓くアントレプレナー」 登場する経営者は、「四畳半一間から山も谷も乗り越え、東証1部上場」−株式会社アルプス技研・創業者最高顧問 松井利夫氏、「全国の税理士事務所をネットワーク化」−株式会社経理バンクホールディングス社長 山田長満氏、「再生医療製品で国内承認第一号」−株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング社長 小澤洋介氏、「家事代行サービスで全国に100を超えるフランチャイズ店」−ミニメイド・サービス株式会社社長 山田長司氏、「ネイルサロンとフィットネスジムで事業拡大」−株式会社ノンストレス社長 坂野尚子氏、「楽しく、おしゃれで、価格がダウンするアパレル・リサイクルショップ」−株式会社ヘイプ(現・株式会社DonDon up)社長 岡本昭史氏、「次世代のWebシステム用プラットホーム開発」−株式会社チェプロ・社長 福田 玲二氏、「エンジェルのネットワーク化で先駆的活動」−日本エンジェルズ・フォーラム代表理事 井浦幸雄氏ら14人です。現在販売中。 _______________________________________________________ ☆ 祝 松浦 利幸様 ブログ開設 ☆ ![]() 株式会社 ネプロジャパン 会長 金井 孟 __________________________________________________________ ○ ○ ○ ベンチャービジネスの歴史 1 「ベンチャービジネス」という言葉が初めて使われたのは? 1971年、国民金融公庫の月報で−高度の専門能力を有する新しいタイプの中小企業− 「ベンチャービジネス」という言葉は、今日、かなり一般的に使われていますが、このベンチャービジネスという言葉が初めて文書に登場したのは、国民金融公庫(現・日本政策金融公庫)の月報「都市型新規開業実態調査」(昭和46年=1971年=7月号)の中です(写真参照)。 同調査は、国民金融公庫が公庫の融資先企業で、東京都と大阪市の都心部にあり、昭和42年(1967年)1月以降に開業した企業を対象にしたもので、月報は「昭和40年代にはいってから、大都市では小零細企業の増加がきわめて著しい。しかも、その増加には、次のような特徴がみられる……」という書き出しで始まり、「都心部に新たに発生する企業の多くは高度の専門能力を有する新しいタイプの中小企業である」「都心型新規開業企業の最右翼は大企業からスピン・オフしたテクノストラクチュアが担い手となるベンチャー・ビジネスである」と書かれています(「ベンチャー・ビジネス」という表記は原文のまま)。 公庫はこの調査とともに、1970年前後に、「小零細企業新規開業実態調査」、「地方型新規開業実態調査」も実施し、3つの調査をまとめて、「小零細企業の存立条件−新規参入をめぐってー」という報告書にまとめています。報告書をまとめたのは、当時、同公庫の調査課長だった清成忠男氏(その後、法政大学教授、総長など歴任)と、専修大学教授だった中村秀一郎氏(その後、多摩大学経営情報学部長、名誉学長、故人)らで、清成氏によれば、中小企業庁の課長だった佃近雄氏が米国ボストン大学のセミナーに出席し、その時の経験を講演した時に、「米国にはベンチャービジネスというのがあって、それに投資するのがベンチャーキャピタルであるというような話をした」。そこで、「佃氏を訪ねてセミナーの資料を借りて読んでみたが、ベンチャービジネスという言葉は出ていなかった」。だが、中村氏らと相談し、「意味づけは我々がやろう」ということになり、使うことにしたということです(ここは清成先生から以前、聞いた話に加えて、ベンチャー支援組織のパイオニア・ベンチャーグループが05年6月に発行した「黎明期のベンチャービジネス運動」を参照にしました) もともと研究開発は個人の創造力に依存 この「大企業からスピン・オフしたテクノストラクチュアが担い手となるベンチャー・ビジネス」ですが、月報では、そうした企業が増える背景として、「マス・プロ時代の終り」、「研究開発・市場指向の重要性拡大」「知識の経営資源化の進展」「新しい中小企業分野の拡大・企業交替の活発化」といった時代の変化を挙げ、こうした変化に「大企業は必ずしも的確に適応しえない」と指摘しています。 さらに、「もともと研究開発は個人の創造力に依存しており、組織が行うわけではない。むしろ、硬直化した大組織は個人の創造力発揮を妨げることになる」と説明し、「大都市では脱サラリーマン化現象は今や例外ではない。…その主流は(社会的に通用する)能力ある者の独立であり…」と分析しています。 独自性ある企業で大企業の下請けではない こうして個人が創造力を発揮しようと独立し、創業したベンチャー・ビジネスは「新技術を企業化したり、あるいは専門知識に基づいて新しい独自な営業方法を開発するなど、他にさきがけて創造的な活動を展開するパイオニア的な企業」だと定義。「したがって、イノベーターであり、投機的な一発屋的泡沫企業ではない」と強調しています。 まさに、この定義は現在もそのまま通用しますが、この報告書が書かれた1970年頃は、後に第一次ベンチャーブームと言われるようになった時代で、71年には日本ベンチャー・ビジネス協会も設立されています。その代表幹事を務めた下條武男氏(日本コンピュータ・ダイナミクス会長)によれば、「当時、六本木にあった公庫の寮で、ベンチャー企業経営者同士、膝を交え、夜が更けるのも忘れてラーメンをすすりながら、『独自性を持つベンチャー企業は大企業の下請けではなく、気持ちのうえでは大企業と対等だ』」といった議論をしたそうです。 当時のことについては、下條氏が今年6月に出された「楽しくダイナミックに! ベンチャー精神貫き、上場実現」(日刊工業新聞社刊行、前段参照)に詳しく語られています。(続く) |
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