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「破天荒力でアジアに挑め!」-意欲あふれる事業計画と交流会 川崎市に拠点を置くNPO法人(特定非営利活動法人)アジア起業家村推進機構(理事長・山口務氏)は2月3日、川崎市産業振興会館で「新春講演会及び新年交流会」を開催した。会は第1部=「アジア起業家『ビジネスアイデア・シーズ』プラン発表会」、第2部=講演会「破天荒力でアジアに挑め!日本企業 −日本中小企業とアジア起業家との共進化−」、第3部=交流会−の構成で、第1部では、スマートフォン(高機能携帯電話)向けアプリケー ションで成長するアジア起業家村の企業の活動や同起業家養成塾の塾生が目指す事業プランなどが発表される一方、第2部では、松沢成文・神奈川県知事が“郷土が生んだ偉人”二宮尊徳の思想に触れるとともに、「(知事として)早くから電気自動車の普及に取り組んできたが、電気自動車は社会を変え、そこに様々なビジネスチャンスがある」と参加者に力強く語りかけるなど、将来の日本とアジアの発展に向け、活力を感じさせるイベントになった。アジア起業家村の入居企業が「アイフォーン」用アプリで大ヒット アジア起業家村推進機構は6年前の2005年2月に結成され、活動の拠点とも言うべき「アジア起業家村(アジア出身のベンチャー起業家が入居するインキュベーション=創業と成長支援=スペース、川崎市川崎区南渡田町のTHINK内)」に、これまでに“卒業生”を含め、29社が入居している。第1部の「アジア起業家『ビジネスアイデア・シーズ』プラン発表会」ではまず、このアジア起業家村に入居する株式会社レナセンティアの事業が紹介された。 同社は、米国アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」用などのアプリケーション(ソフトウェア)が配信されている「App Store(アップストア)」を通して、「地下鉄でも新聞が読める『Site Viewer(サイトビューアー)』」を提供。ユーザーが15万人にも上り、「アップストア」のニュースサイト・カテゴリーでトップになるほどのヒット作となっている。 予定では同社のグェン・ミン・ドゥック社長が、自ら同サイトビューアーの特徴を話すことになっていたが、急な仕事ができたため、事務局が代わって説明。「片手で操作できるなど使いやすく、文字の大きさも自由に変えることができるうえ、ニュースを提供するサイトから一括して内容をダウンロードするので、電波の届かない地下鉄内でも途切れることなく読める」と利便性の高さを強調した。 「起業家村があったから日本で創業」−推進機構の大きな役割 グェン社長は04年12月に同じベトナム出身のホー・フィ・クーン氏と株式会社VTM(当時・ヴィテックメイト)を創業し、アジア起業家村の第1号企業の1つとして入居。スマートフォンの普及を予想して、08年10月に新たにレナセンティアを設立したが、事務局からの説明の後、特に推進機構の牟田口雄彦・専務理事(海援隊21代表幹事)が「将来はベトナムでの上場も見込める」と期待をかけるとともに、「アジア起業家村がなかったら、米国で起業したかもしれない」とアジア起業家村が果たしている役割を訴えた。 第11期養成塾・塾生が最優秀賞と優秀賞のビジネスプラン 次いで、同推進機構が川崎市と共同して運営するアジア起業家養成塾(第11期、昨年11月13日〜)の塾生が作成したビジネスプランのうち、今年1月29日の修了式で最優秀賞と優秀賞を受けたプランが発表された(写真参照)。 発表されたのは、「世界一のプラズマ・ラディカル装置を川崎から世界の市場へ」(小砂=こさご=泉氏)、「アジア 諸国でドクターやエステサロン向けの『シミとりクリーム』展開」(横山渉氏)、「アジア起業家村から世界をマーケットに−医療技術へ貢献」(金星民氏=会では事業パートナーが説明)、「医療ツーリズム」(兪子豊、林燕、佐藤和浩の三氏)、「福祉コンビニ 道の駅 プロジェクト」(小田原大造氏)の5つのプランで、このうち、最優秀賞を受賞した小砂氏は「『アイフォーン』に代表されるスマートフォンの普及により、電子部品はますます微小になる。そうした微小電子部品の表面処理・改質装置として技術的な優位性を持っている」と強調。優秀賞を受けた塾生もそれぞれ、「アジアの化粧品市場は、これから効果・効能を求めるようになる。まずベトナムから始めたい」、「ロボットを使って手術をする専門医を日本の先端放送技術を用いた遠隔教育により、増やしたい」、「自分たちのネットワークを使い、急増する中国の中間層以上を対象に医療情報とサービスを提供したい」、「日本の品質・安全で、高齢者のいる中国の家庭に貢献したい」など、塾で勉強しながら磨いたビジネスプランの概要をプレゼンテーションした(塾生の全ビジネスプランと修了式の様子は、このブログ「ベンチャー温故知新」に2月1日に掲載した「『日亜の懸け橋に』−『アジア起業家養成塾』が卒業ビジネスプラン発表会-日越、日中のチームで事業構想も」を参照して下さると幸いです=筆者・松浦)。塾の卒業生もベトナムの最新情報を提供する事業をスタート さらに、昨年7月からベトナム・ホーチミン市に移り住んで活動している安部浩一朗・株式会社Raycean(レイシャン)社長(第8期アジア起業家養成塾卒業生、京浜多摩和僑会会員)が「ホーチミン市で開かれる各国商工会主催 によるセミナーに参加したり、企業や政府機関を訪問して、ベトナムの最新情報を発信している」と自社の事業を説明。昨年12月には神奈川産業振興センターのベトナム・ミッションツアーを企画・実施したことにも言及しながら、「私は、日本はアジア抜きでは生きていけないと考え、日本とアジアのつなぎ役になり、少しでもお役に立てばと起業した。特にベトナムは人口の56%が30歳以下と若い新興国。(当社は)2月10日にホームページをオープンするが、週1回コーヒーを飲むのを我慢するくらいの価格でベトナムの最新情報を提供するので、是非、ご利用を」と参加者に呼びかけた。「二宮尊徳は超合理主義者。自立心を促す政策で農村改革」 一方、「破天荒力でアジアに挑め!日本企業 −日本中小企業とアジア起業家との共進化−」と題して講演した 松沢知事は、自著の「混迷日本再生 二宮尊徳の破天荒力」(株式会社ぎょうせい、昨年9月発行)でテーマにした二宮尊徳(1787年=天明7年7月、相模国栢山村=現・小田原市栢山生まれ〜1856年=安政3年10月)について、まず「江戸時代に古い徳目を訴えたおじさんというイメージが強いが、実際は技術と数字を使うとともに、現場を見て歩き、600もの農村を徹底して改革した超合理主義者」と説明。併せて、1820年〜30年頃に小田原で五常講(ごじょうこう)という世界初の(相互扶助金融制度である)信用組合をつくったことを例に挙げ、尊徳は「補助金では依存心ばかりの人間が増えてしまう。融資にしなさい」と自立心を促す政策を基本にしたと強調した。今に受け継がれる「道徳と経済の融合思想」 同時に「経済を伴わない道徳は戯言であり、道徳を伴わない経済は罪悪である」と「道徳と経済の融合」を説いた尊徳の思想は、渋沢栄一、安田善次郎、御木本幸吉、松下幸之助、土光敏夫らの経済人に受け継がれているとして、「日本的経営の良さを世界に敷衍させることも重要」と主張した。 社会を変える電気自動車に多くのビジネスチャンス また、現在の県の政策に関して、「神奈川県には『先進力』と『協働力』がある」と前置きして、特に、「神奈川県には最先端の自動車も電池もつくる会社があり、慶応大学の清水先生(清水浩教授)のような研究者もいる。私は早くから産学公による電気自動車普及推進協議会をつくり(2006年11月設置)、電気自動車普及のお手伝いをしてきたが、3月には8輪駆動の電気バスの試作車もできる」「電気自動車は建物の中に入っていけるので、商業施設内にコリドー(回廊)をつくれば、(身体障害者なども)店の前まで運転して行くことができる。また、自動車を縦にしてとめる立体駐車場もでき、街づくりも変化する。さらに太陽光パネルで発電して充電させれば、ゼロエミッションも可能。電気自動車は社会を変えていき、そこに様々なビジネスチャンスもある」と力を込めた。 最後に昨年10月の羽田空港(東京国際空港)の国際化に伴い、アジア起業家村推進機構が新拠点の建設構想を進める川崎市川崎区殿町(羽田空港と多摩川を挟んだ対岸地域)やJR・相模線沿線地域などの開発・活性化策に触れ、大きな拍手の中、講演を締めくくった(電気自動車の果たす役割に関しては、このブログの1月21日の記事「『ビッグスリーからスモール・ハンドレッドへ−電気自動車は産業構造を変革する』−KSP第2回フォーラム」を合わせて参照して下さればと思います)。 羽田空港の国際化に対応して新拠点−推進主体の会社設立も その後、会は交流会に移行。2月に入ってからの新年交流会となったが、ちょうど3日は中国の旧正月(春節)を 迎える日であることから、挨拶に立った推進機構の山口理事長も新年のお祝いを述べるとともに、「知事がお話しした(誰もなしえないことを実現するという)破天荒力と先進力で飛躍しよう」と参加者に呼びかけ、「殿町に新拠点をつくるために、民間企業と提携して推進する会社をつくりたいので協力を」と訴えた。続いて、来賓として川崎市の阿部孝夫市長が「殿町を新しい中小企業の拠点にしたい」と挨拶(写真)。また、同じく来賓として挨拶した川崎市工業団体連合会(市工連)の吉田基一会長は「電気自動車も大手企業だけでなく、中小企業も知恵を出し創造力を持って臨めばチャンスがある」と強調。その後、養成塾の講師でもある塩崎勉・京浜多摩和僑会名誉会長(元・市工連会長)が乾杯の音頭をとり、参加者の懇親の輪が広がった。__________________ ☆ 謹賀新年 ☆ ![]() 株式会社ネプロジャパン 会長 金井 孟 __________________ |
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