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協会の現地事務所7月から稼働-「交流支援スキームの活用を」 一般社団法人首都圏産業活性化協会(略称・TAMA協会、会長・古川勇二氏=職業能力開発総合大学校校長、 本部・東京都八王子市)は6月15日、西武信用金庫八王子支店 会議室で、「第1回 台湾ビジネス研究会」を開催した。同協会は2008年度から会員企業と台湾との交流支援に取り組んでいるが、今年4月に開設した協会の台湾事務所が7月から稼働することから、交流事業の一層の強化を目指し開いたもの。研究会では特に、協会の支援により台湾企業と連携したり、商談中の会員企業2社の代表者が、いきさつや現状を報告しながら、「TAMA協会の支援スキームの活用を」と自らの経験を通して強調。併せて、協会の日台間交流コーディネータから、日台企業アライアンスの成功と失敗の事例が分析・解説されるとともに、来日中の台湾・工業技術研究院の幹部が「日本企業は台湾企業と提携して、(中国だけでなく、広く)華僑の経済圏の開拓を」と呼びかけるなど、日台を中心にグローバルな発展を考える研究会となった。日本で“ものづくり革命”-台湾で「心で付き合える」企業と事業・・ 研究会で報告した2社のうち、実際に台湾の企業と連携しているのは、株式会社井口一世(埼玉県所沢市)で、同社の井口一世 代表取締役社長は最初に「当社は板金加工を生業(なりわい)にしているが、『金型レス』『切削レ ス』『スクラップレス』により、10グラムの材料で10グラムの製品をつくり出す」と自社の“ものづくりの革命”の一端を紹介した後、このオリジナル技術により製造される金属部品などが「ニッチ(隙間=小さな市場の意味)で、(大きくても)100億円のマーケット」であるのに対して、台湾企業と共同して進めているのは、「金型を使って同じものを2000個以上、大量生産する事業」で、プレス加工品、自動車関連の部品などを製造する研究に取り組んでいると説明した。並行して、自社で開発したCAD(Computer Aided Design=コンピューター支援による設計)ソフトのような「スタンドアローン(独立使用型)のソフト」を連携先の企業を代理店にして、「中国市場で販売したい」という構想も明かしたが、井口社長は特に、2009年にTAMA協会が主催した技術説明会・個別商談会に参加して台北市を訪問し、協会のカウンターパートナーである台日商務交流協進会(台北市を中心とする企業で構成)の仲介により、「信頼でき、世界レベルの品質管理・工程管理ができる企業を探すことができた。…また台湾は第一に“親日の国”」と参加者に語りかけたうえで、「世界の工場・市場である中国との関係や拝金主義でない」などの点を列挙、最後に「ビジネスだけでなく、心で付き合える」と力説した。 技術交流会で商談進展−台湾側もトップが参加し、その場で判断 一方、TAMA協会が今年2月に台北市と台南市で開いた技術交流商談会に参加した株式会社industria(埼玉 県入間市)の高橋一彰 代表取締役社長は「台湾の工作機械メーカーやプラスチック関係の排水処理の会社からガラス、セラミックス、タッチパネルなどを加工する超音波スピンドルや(切削油、廃液に使う)フィルターの商談があり、工具メーカーからは『(当社の製品を)仕入れて売らせてくれ』という依頼も来ている」と明るい口調で報告した。台湾ビジネス研究会の会長も努める井口社長は、「中小企業にとって海外とのビジネスは手探り状態。TAMA協会の支援スキームは、こうした初心者が利用しやすい」と説明する一方、高橋社長も「(台湾側の企業は)判断できるトップが参加しているので、その日に決まるというほどスピードが速い」と商談会の実効性を評価。さらに「TAMA協会が手配する通訳は優秀」といったサービス内容の良さにも言及した。 サポート機能強化、「ECFAの流れに乗って中国市場に展開を」 こうしたサービスを提供するTAMA協会は7月から、台北市の中心部にある台北世界貿易センターにある台日商 務交流協進会のオフィス内に開設した台湾事務所が活動を始め、商品の展示、企業訪問の支援、調査や情報の収集、宿泊・交通機関の手配や専門家の紹介といったサポート機能を充実させる。もともと、協会は「商談会のマッチング後、契約にいたるまでフォローをする」のを基本方針にしているが、新事務所の稼働に加えて、今年から台湾と中国との間でECFA(Economic Cooperation Framework Agreement=両岸経済協力枠組協定)が施行され、2013年までに中国側539品目、台湾側267品目の工業品などの関税がゼロになることから、岡崎英人 事務局長は研究会で「ECFAの流れに乗って、日台アライアンスで中国市場に展開する事業を支援したい」と力を込めた。 日台アライアンス-「顧客密着販売」で成功、「契約書なし」で失敗例も 一方、日台間の交流を担当する根橋玲子 コーディネータ(ジェトロ=独立行政法人 日本貿易振興機構=認定貿 易アドバイザー)は、日台企業のアライアンスに関する成功と失敗の事例を発表。「製造拠点は日本に残しながら、顧客密着型の販売拠点を台湾など海外に設立している企業」「台湾だけでなく、中国、ASEAN(東南アジア諸国連合)の企業への販売は価格決定も含め、連携先の台湾企業に任せ、支払いは円決済にして為替変動をノーリスクにしている企業」「台湾企業と資本提携し、経営陣も交代して、黒字に転換したベンチャー企業」などの成功例の反面、「日台の創業者同士の信頼関係で相互に代理店になっていたが、台湾企業の創業者の死去により、2代目社長が契約書のない日本企業との代理店契約を解消」「日本、台湾、中国の3社で合弁会社を設立したが、3社のバランスや関係に問題が生じて台湾企業が出資を引き揚げ…」など、失敗例も原因を分析し解説した。台湾は「ベンチャー創出風土が旺盛」、日本のノウハウと結合を また、根橋コーディネータは、台湾は“国家に依存できず、国際的にも脆弱な立場”に置かれていることもあって、「ベンチャー創出風土が旺盛」としながら、台湾政府が成長させようとしている産業として、文化・デジタルコンテンツ、バイオテクノロジー・医療、クリーンエネルギー、エコ建築、都市再開発、インテリジェントカー、IT(情報技術)・クラウドコンピューティングの7分野を挙げ、こうした産業での日台企業の連携を勧めるとともに、「日本企業の永年の基礎研究から得られたノウハウと、台湾企業の持つ高度な生産技術と柔軟な環境適応力を合わせて、第三国に進出することのメリットは計りしれない」と強調した。 進出台湾企業は中国の優遇制度活用、トラブルへの対処も迅速 この第三国への進出や「ECFAの流れに乗って中国市場に展開」という考え方に関連して、来日中の台湾・工業技術研究院(略称・ITRI、日本の独立行政法人 産業技術総合研究所に相当する先端技術の公的研究機関)の劉仲庸・正管理師(Lead Administrator、写真中央)は、「信用できることと心の付き合いが大事」と日台を結ぶ精神に 触れた後、「日本と台湾の企業が提携して、華僑の経済圏を開拓するのが良い方法」「中国には進出台湾企業に対する政府の優遇制度に加えて、(中国の)各自治体の優遇措置もある。さらに台湾企業はトラブルへの対処も速い」と日台提携による効果を訴えた。また、ITRI東京事務所の蔡對@氏(写真右、台湾区電機電子工業同業公会 東京事務所も兼務)は8月25日〜28日に開かれる昆山電子電機・設備博覧会への日本企業の出展は「無料です」と製品展示を促した〈昆山市(江蘇省)は長江デルタ地帯にあり、台湾の電子電機企業の集積地〉。 震災による環境変化を乗り越え、世界に新たな活路を 研究会では、「3月11日の東日本大震災で被災した一部の大企業は、海外の工場を増設することで対応しようとしている。日本でずっと仕事があるか疑問」(岡崎事務局長)、「台湾は日本製品の良さを、どの国よりわかっている人が多いが、福島の原発事故を契機に、リスクを考え、少し躊躇する可能性もある」(根橋コーディネータ)など震災を機に日本の中小企業を取り巻く環境や技術・製品に対する海外の評価・信頼に変化が起きていることも指摘された。 こうした変化を乗り越え、日本の中小企業が台湾の企業と連携・提携し、世界に向けて新しい成長への活路を拓いていくことが期待されると言えよう。 〈TAMA協会は、台湾ビジネス研究会に関連して、7月6日に第1回ASEANビジネス研究会を西武信用金庫 八王子支店で開く。また、9月28日〜10月2日には、2011年度 台湾商談会・展示会(台北国際発明展&テクノマート見本市)ツアーを開催する〉 〈筆者(松浦)追記=台湾・工業技術研究院の劉仲庸氏は、その後、7月14日に逝去されました。TAMA協会の ◎ ◎ ◎ 日本コンピュータ・ダイナミクス株式会社(リンク) |
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