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help RSS アジア起業家村推進機構がJAPANブランド採択記念セミナー 「テクノセンター設立し海外と共生」

<<   作成日時 : 2011/06/22 15:01   >>

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「日本の金型技術をベトナムで役立てよう」-経営者らが熱い議論

 川崎市に拠点を置くNPO法人(特定非営利活動法人)アジア起業家村推進機構(理事長・山口務氏)は6月20日、川崎市、川崎商工会議所などと共同して、川崎市産業振興会館で「☆経産省JAPANブランド育成支援事業採画像択記念☆ アジア起業家村グローバルビジネスセミナー 2011 −ベトナム委員会キックオフセミナー−」を開催した。同推進機構が策定を進めている「日本の金型技術をベトナムの経済成長に役立てる戦略(日越金型ブランド化事業)」が経済産業省・中小企業庁の「中小企業海外展開支援事業(JAPANブランド育成支援事業)」に採択されたの機に、その実現に向けてパワーを結集しようと開いたもの。
 セミナーでは、日本の中小製造業がベトナムをはじめ海外に進出する際の方法や問題点、行政面での課題が討論されたが、国内外で事業に取り組む経営者らの力のこもった発言が相次いだけに議論が白熱。会場からも多くの質問が出されるなど、“キックオフ”にふさわしい盛り上がりを見せた。

チャイナ・プラス・ワンの有望な国-ベトナム、進出日本企業も増加

 セミナーでは、最初に山口理事長(同推進機構 ベトナム委員会委員長)が、「(われわれ推進機構が提案した)日越金型ブランド化事業が5月27日にJAPANブランド育成支援事業に認定された。今日は皆さんの今後の事業展開に役立てばと、金型事業などで豊富な経験を持つ経営者に参加していただいた」と挨拶。続いて、NPO法人アジアITビジネス研究会の藤原弘・理事長(東京中小企業投資育成株式会社 ビジネスサポート部 国際ビジネスセンター所長)と香港肇英グループの川副哲・代表(肇英=CHO EI、肇英實業有限公司董事長、香港和僑会副会長)が基調講演した。
 藤原氏は独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)の大連事務所長を務めた時の活動やベトナムでの現地視画像察、ジェトロの調査などをもとに、「ベトナムは物価上昇率も高いが、年収7000ドル以上の金持ちが増えている。20年前の華南経済と同じようなことが起こっているのではないか」として、「ベトナムは日本にとって、チャイナ・プラス・ワンの有望な国に浮上し、在ベトナム日本商工会議所の加盟企業数も08年の743から11年には953に増えている」と現状を解説。問題点として「賃金の上昇、従業員の定着率、(部品や材料等の)現地調達率の低さ、電力不足」などを挙げたが、「ベトナムは反日感情がない。日本の中小製造業が進出しやすくなるようなテクノセンターをつくるべきだ」と訴えた。

人材採用・教育から税制、インフラまで支援できるテクノセンターを

 川副氏も、このテクノセンターに関して、1992年に同志と中国・シンセン市(広東省)にテクノセンターを設立し、日本の中小製造業の進出を支援してきただけに、「人材のリクルート・教育、人事、電気・通信・水道などのインフラ画像(社会的基盤)、税関・税制、小ロットの製品を集めて配送する物流、福利厚生、相互の顧客の紹介などにわたるサポート機能が欠かせない」と具体的に必要な条件を列挙。自らが率いる肇英實業有限公司が、香港を拠点に中国でプラスチック成型品や精密金型を製造してきた経験をもとに、ベトナムなど海外でも「職人プラス良い成型機、周辺機器、インフラがあれば、不良品なしで成型できる」と力を込めた。
 同時に東日本大震災により、「複数の拠点から製品を供給できるマルチサプライの態勢が顧客から要請されている」と震災後の変化を指摘。併せて、国際的なビジネスに長く従事し、海外で創業する日本人を支援する組織「香港和僑会」の副会長でもある立場から、中国とASEAN(東南アジア諸国連合)とのACFTA、中国と香港とのCEPA、中国と台湾とのECFAなどの貿易協定による優遇制度に対する注意も促した。

    ベトナムは年間約140億円の金型を輸入

 この後、セミナーはパネルディスカッションに移行。まず、昨年7月からベトナム・ホーチミン市で活動する安部浩一朗・株式会社Raycean(レイシャン)代表取締役社長が「ベトナムに進出している各国の企業の社長にインタビューして最新情報を発信している」と自社の事業に触れながら、「ベトナム政府は2月に裾野産業の発展奨励策を発表した。税制、融資、人材、土地などに関する具体的な優遇策はこれからまとめられるが、ベトナムは年間約140億円の金型を輸入しているので、それだけのマーケットがある」と最新の現地動向を報告した。

  「基地は常に日本に」「技術のコアは国内で開発」

 一方、多摩川を挟んで川崎市に隣接する工業地帯として知られる東京都大田区の社団法人大田工業連合会の舟久保(ふなくぼ)利明会長(株式会社昭和製作所代表取締役)は「かつて1万社ほどあった大田区の『ものづくり』の会社は、今は3000社に減っている。そのうち、50%が従業員5人以下、80%が10人以下。当連合会には、その3分の1弱が加盟するが、海外への単独での進出は10人以下の企業ではとても無理」「中小企業は自分で仕事を作って売りたいが、できない。しかし、新しい産業の創成のために研究開発は大事だ」と中小製造業の置かれた画像状況と役割を説明。「結果として海外に進出するのは良いが、“基地”は常に日本にありたい」と強調するとともに、「ものづくりに対する若い(子供の)時からの教育を」と社会全体で「ものづくり」に対する認識を高めることの重要性にも言及した。
 「ものづくり」企業の減少は隣接する川崎市も共通で、1031社が加盟する川崎市工業団体連合会の吉田基一会長(株式会社トーキンオール代表取締役)も「後継者問題は会員の悩みの一つ」と打ち明けながら、舟久保氏と同様に「技術のコアは国内で開発すべき」とするとともに、「周辺(技術)や商品の一部を海外でつくって成功するケースはある。テクノセンター(の建設と運営)に日本と相手側の行政の協力があれば、中小企業も長く事業展開ができるのではないか」と提案した。

 「基礎から最近の技術まで、どう教え、技術者を育てるか…」

 パネルディスカッションには、実際にタイに金型のメンテナンスセンターをつくった経験のある経営者も参加、多様な議論の展開に一役買った。
 東京都や神奈川県の金型メーカーで構成する「金型熱血集団」のメンバー12社と共同して、メンテナンスセンターを開設した株式会社並木金型(東京都大田区)の並木正夫・取締役会長で、残念ながら「メンテナンスセンターは3年間操業した後、今は休業状態」になっているが、その原因について並木氏は、「プラスチック金型の修理はできても、ダイカストやプレスの金型の修理ができない」という技術面の問題や、「1年で全従業員が入れ替わってしまう」という定着率の低さなどにあるとして、「基礎から最近の技術まで、どう教え、技術者を育てるか…」と海外で金型の事業を推進するうえでの課題を指摘した。

 ベトナムの人達といっしょに金型部品を製造する新会社設立

 一方、これからベトナムに本格的に進出しようという株式会社リード技研(川崎市多摩区)の小川登(みのる)代表画像取締役は「ベトナムの人達といっしょに日越交流を進める合弁会社のCOPRONA(コプロナ)株式会社を設立した。原発事故の影響で、少し計画より遅れているが、近くベトナムで金型部品などの製造も始める」と意欲的に語りながら、「ベトナムは好日的で、労務管理も人と人とのつながりで解決できる」「技術と心の交流を通して、アジアの共生と発展に情熱を捧げます」という精神で事業に取り組むと力説した。リード技研には、横浜国立大学の大学院で学んだベトナム人留学生が「製造業を覚えたい」と入社。それが“日越を結ぶ新事業”につながったという。

羽田空港対岸に先端医療開発特区、アジアゲートウェイの展開も

 こうした中小製造業の経営者とともに、行政関係者や産業振興の専門家もパネラーとして参加。まず、地元・川崎市 経済労働局の伊藤和良・産業政策部長兼国際経済推進室長が、「90年代のバブル経済崩壊後の不況と円高により、親会社の要請で、多くの川崎市内の中小企業が東アジア、中国に出ていってしまい、臨海部が空洞化した。それを『ものづくり機能空洞化対策研究会』をつくり、中国・東莞市(広東省)にも調査に行くとともに、地域に残っている優れたものを磨き上げよう」と地域振興を図ってきた経緯を説明。現在は、「90年代と同じような空洞化に直面している」として、@(再国際化された)羽田空港と多摩川を挟んだ対岸にある神奈川口(殿町)地区における先端医療開発特区プロジェクトA新川崎・創造のもり(ナノマイクロ産学共同拠点)事業Bアジア起業家村などのアジアのゲートウェイとしての海外展開支援−などに取り組んでいることを挙げた。

  海外進出は必然的な流れ−国境を越えたビジネスを応援

 また、主催者のアジア起業家村推進機構の小林一・常務理事(地域づくりプランナー)は「COPRONAの入居で、アジア起業家村の入居企業は延べ30社になったが、うち5社ほどがベトナム人が起業した会社で、株式会社レナセンティア(代表取締役社長・グェン・ミン・ドゥック氏)のように日本とベトナムの両方で事業をしている会社もある。このような国境を越えたビジネスを応援したい」と起業家村の新しい動きを紹介。地域活性化の専門家として実績がある真野博司(ひろたか)・株式会社産業立地研究所(東京都千代田区)代表取締役社長は「日本の中小企業の海外進出は必然的な流れで、行政と一体となって進出することが必要」として、「ソフトとハードの両方の支援機能を備えた専用の工業団地(貸工場)の建設を」と訴えた。

   経営者自ら現地に−キーワードは「海外との共生」

 こうしたパネラーの発言・意見に対して、会場からは「海外に行く場合、マーケティング戦略センターも必要ではないか」「海外に進出して成功するポイントは…」などの質問が出され、各パネラーから、「イギリス人やフランス人を販売担当者にして、販路を開拓する」「韓国や台湾の企業から派遣されて来た社員は、永住する覚悟で現地の言葉を画像話し、即断即決する。日本企業も気合の入った社員の派遣を」「時間をかけて現地の人材を育てる」「経営者自らが現地に行く」「マザー工場は日本に置く。アジアは量で稼ぐ」など、具体的な答えが返され、迫真の討論が繰り広げられた。最後に、日本工業大学 大学院技術経営研究科の横田悦二郎教授が「百出の議論」を「FTA(自由貿易協定)、EPA(経済連携協定)締結の流れが加速し、ものづくりに国境がなくなる時代。キーワードは海外との共生」と締めくくり、拍手の中、セミナーは終了、交流会に移行した。
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   「起業家村は“アジアものづくり共栄圏”の先兵」

 交流会では、挨拶に立った川崎市の阿部孝夫市長(左下の写真)が「アジア起業家村は“アジアものづくり共栄圏”の先兵」と起画像業家村の意義を主張。川崎商工会議所の山田長満(おさみつ)会頭(右下の写真)も「震災画像で国内の中小企業は厳しいが、グローバル経済の中、勇気を持ってアジアに挑戦しよう」と意気高く呼びかけた。
 この後、神奈川県 商工労働局の小林崇・産業部長も「学ぶところの多いセミナーだった」と挨拶。舟久保・太田工業連合会会長の音頭で乾杯し、参加者は和やかに懇親した。
 アジア起業家村推進機構は、「日越金型ブランド化事業」が経済産業省・中小企業庁の「JAPANブランド育成支援事業」に採択されたことから、今年度末までに、「5〜7社で構成するグループを3つつくり、ベトナムの工業団地に日本の金型メーカーが進出する戦略を策定する」(山口理事長)方針。併せて将来に向けて、神奈川口(殿町)に“アジアものづくり共栄圏”の中核を担うような新拠点を開設する構想を描いている。
 同推進機構は、川崎市やベンチャー企業経営者、民間の団体・企業などの協力により、6年前の2005年2月に結成された。その活動の拠点とも言うべき「アジア起業家村(アジア出身のベンチャー起業家が入居するインキュベーション=創業と成長支援=スペース、川崎市川崎区南渡田町のTHINK内)」には、卒業生を含めて、これまでに画像30社が入居したが、同起業家村は交通の便が良くないこともあって、現在、入居しているのは5社と少ない。
 多くの問題が議論された今回のセミナーを機に、推進機構の活動が強化され、文字通り“アジアと日本の企業の共生・発展の道”が広がることが期待される。

日本コンピュータ・ダイナミクス株式会社
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