松浦利幸「ベンチャー温故知新」VBの歴史と最新情報

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zoom RSS サンブリッジ グローバルベンチャーズがIW September-「我々のビジネスを壊すVBを支援」

<<   作成日時 : 2013/09/23 11:59   >>

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学生、家業跡継から中国、米国出身者まで多様なVBがプレゼン

 IT(情報技術)分野を中心に世界を目指すベンチャー企業を支援する株式会社サンブリッジ グローバルベンチャーズ(SBGV、代表取締役社長・平石郁生氏、以下、社名の株式会社は略)は9月20日、活動拠点とする「St画像artup Base Camp」(東京都港区)で、ベンチャーナウ(本社・東京都渋谷区、代表取締役・竹内泰史氏)と共同し、「Innovation Weekend(イノベーション ウィークエンド) 2013 September」を開いた。4月、5月、7月に続く今年4回目の開催で、今回はゲストスピーカーとして、日米アジアで事業拡大を目指すベンチャー企業(VB)、Peatix Inc.のco−founder&Head of Asia(共同創業者・アジア代表)の竹村詠美氏が「シンガポールという市場の魅力」について講演するとともに、6社のスタートアップ企業がプレゼンテーション。併せて、同Weekendを支援する法律事務所や大手企業が支援の内容を説明した。特に大手(系列)企業からは「我々のビジネスを壊すようなサービスを開発するベンチャーを支援したい」など、従来の壁を破るような主張が聞かれる一方、プレゼンした企業の経営者は大学生、家業の跡取りから米国や中国の出身者までさまざま。まさに日本で多様な層からベンチャーが生まれるとともに、大手とベンチャーとの関係も大きく変化していることを感じさせた。

 「世界を席巻するサービスを」「ドアはいつも開けています」

 大手とベンチャー企業との関係の変化を感じさせたのは、同Weekendを支援するパートナーとして話をしたNTTドコモ・ベンチャーズ(今年7月1日にドコモ・イノベーションベンチャーズから社名変更)の米倉広毅 Senior D画像irector(Investment&Business Development)で、同社はベンチャー企業に対するNTTグループの総合窓口の役割を担っているが、特に米倉氏は「ベンチャー企業には、スカイプのような我々のビジネスを壊し、世界を席巻するようなサービスをつくっていただきたい」と強調。そのためにファンドや起業支援プログラムを運営し、「当社が本社を置くアーク森ビルでも毎週、イベントを開いている」とスライドで示しながら、参加を呼びかけた。
 また、同じくパートナーの花王の本間充 デジタルコミュニケーションセンター 企画室 室長も「花王は1887年(明治20年)6月の創業で、今ではスタートアップとは違う企業になったが、是非、ベンチャー企業とイノベーティブなことに取り組みたい。いつもドアを開けています」と気さくでオープンな口調で語りかけた。

HPから契約書が無料でダウンロード、従量課金制で無駄なく

 一方、弁護士法人 クレア法律事務所の代表社員で弁護士の古田利雄氏もパートナーとして、「当法人のホー画像ムページ(HP)から各種の契約書のひな型が無料でダウンロードできる」と利用を促すとともに、営業秘密に関する法的ルールの重要性を資料にして配布。併せて、米国を中心に世界各国で創業支援の活動をしている「FOUNDER INSTITUTE」が「10月2日に日本マイクロソフトの本社(品川グランドセントラルタワー)で説明会をするので参加を」と呼びかけた。
 古田氏は同INSTITUTEのディレクターで、INSTITUTEは4カ月間にわたり毎週水曜日、計15回の講座を開き、創業に関する勉強ができるようにしているという。
 さらにもう1社、パートナーとしてベンチャー支援の説明をしたのがアマゾン データ サービス ジャパンで、同社のクラウドサービスは「従量課金制なので、急にアクセスが増えるような時(ピーク時)にも対応できて無駄がない」「日本でもソリューション・アーキテクトがいて、お客さんのサポートをしている」(畑 浩史 事業開発部マネージャー)と訴えた。

シンガポールは東南アジアのハブ−スタートアップに政府支援も

 このアマゾンのEコマース(電子商取引)を受け持つ日本法人(アマゾンジャパン)に勤めていた4人が創業したのがPeatixで、ゲストスピーカーの竹村氏は、そのメンバーの1人。手掛けるのは「セルフサービス型のベストバ画像リューイベント管理サービス『PeaTix』」で、対象となるイベントはパーティー、同窓会から試食会、ライブコンサート、セミナー、結婚式二次会までさまざま。同社は2011年5月から事業を始めるとともに、同月、開かれた第1回Innovation WeekendでCEOの原田卓氏がプレゼンテーションして優勝し、日米のベンチャーキャピタル(VC)や投資家から資金(シードマネー)を調達。今年3月に米国(ニューヨーク)、シンガポールにも拠点を開設するなど、事業の国際化に力を入れている。
 そのシンガポールに移り住んで市場を開拓しているのが竹村氏で、竹村氏はフィデリティ・ジャパンなどから(シードマネーの次のシリーズAとして)300万ドルを調達したことに触れた後、「シンガポールは人口が約500万人で、『RED DOT!(赤い点)』と言われるように小さな都市国家だが、東南アジアのセンター、ハブに位置し、世界的な大手IT企業がアジアのヘッドオフィスを置いていることから、そうした企業と肩を並べて仕事ができる」「東南アジアの国をはじめ海外から年間約1300万人の観光客が来るので、(そうした観光客に製品やサービスを見せる)ショーケースの役割も果たすこともできる」と説明。さらに「スタートアップ企業に対して人材採用、トレーニング(育成)、税制面などで政府の支援がある」と自らも現地で新しい事業に取り組んでいる立場から、「シンガポールの魅力」を紹介した。

家計簿やリアルタイム通訳、お酒、ポイント貯めるサービス等6社

 一方、プレゼンテーションした6社は、まだスタートしたばかりで、VCからの資金調達も事業の本格的な進展もこれからの企業ばかり。その内容を簡単に列記すると−−。

 〇株式会社BearTail(代表取締役・黒崎賢一氏、茨城県つくば市、設立2012年6月、レシートを撮って送信するだけで99%の精度でデータ化するクラウド型家計簿「Dr.Wallet」。以下、代表者、本社所在地、設立年画像月、事業を同じ順で表記、社名の株式会社は略)
 〇オルカ(宇津木貴晴氏、東京都渋谷区、12年4月、みんなの一番好きな物をシェアするソーシャルサービス「Ristt」)
 〇リカー・イノベーション(荻原恭朗氏、東京都足立区、13年1月、あなたと全国の酒蔵を結ぶ、限定酒定期購入サービス「KURANDO」)
 〇Uneeds(ユーニーズ、趙玉富氏、東京都港区、12年12月、Web経由のリアルタイムクラウド通訳システム「UneedsMe」)
 〇タメコ(ジョナ・オー氏、東京都港区、12年5月、いろいろなお店のポイントやスタンプを携帯電話に貯めることができるサービス「Tamecco」。プレゼンしたのは同社取締役の山下徳正氏、クレア・リー氏)
 〇Forestworks合同会社(横山千春氏、東京都目黒区、12年8月、デジタル技術と融合したフラワーアレンジメント。プレゼンしたのは横山淳CTO=最高技術責任者)

  BearTailが優勝、リカー・イノベーションが準優勝

 この6社のプレゼンの後、レセプションに移行。参加者の採点により、クラウド型家計簿のBearTail(代表取締画像役・黒崎氏)が優勝、限定酒定期購入サービスのリカー・イノベーション(同・荻原氏)が準優勝に輝いた。この2社(人)にはアマゾン データ サービス ジャパンから、それぞれ2000ドル、1000ドルのサービス利用クーポンが贈呈されるとともに、新日本有限責任監査法人が6カ月間の無償支援サービスを提供。さらに、プレゼンした全社にスタートアップ企業向け「Platform as a Service」で実績を挙げている米国Engine Yardの日本法人(東京都渋谷区)から一定金額相当分の無償サービスが提供された。

20代からビジネスで実績を積んだ人まで−多彩な層から起業

 今回のInnovation Weekendでプレゼンテーションした6社は設立後、1年未満から1年半ほどの新しい会社ばかりだが、経営者の経歴は大学に在籍(休学中)、学生の頃から起業を志し一度、頓挫したが再チャレンジ、画像実家の事業を継いだが新会社も設立、日本と中国でソフトウェア開発とコンサルティングの経験を積み起業、3人の米国大学卒の技術者が起業(代表取締役は15年間にわたり金融分野の企業に勤務)、姉弟で起業など多彩。プレゼンに対しては参加者から「どの市場を狙うのか」「競合他社と比べた特色は」などの厳しい質問が相次ぎ、明確に答えられないケースもみられたが、6社の経営者は、ビジネスで実績を積んだ人から事業の経験がほとんどない20代前半まで年齢層も幅広く、開業率が少ないと指摘される日本でも、こうした多様な層からアントレプレナー(起業家)を目指す人が増えていることをうかがわせた。
 同時に、既存の大手企業もベンチャー企業の開発力に対する関心、評価を高めていることも強く感じられた。

自らの体験をベースに支援−VBと大企業が「パートナー」関係に

 Innovation Weekendを主催するサンブリッジ グローバルベンチャーズ(SBGV)の平石社長は、ベンチャー企業(VB)の支援、創業、発展だけでなく、売却などでも経験を積み、「私の紆余曲折の体験をベンチャー支援画像に生かしたい」と2011年5月からWeekendを開始。また、SBGV会長のアレン・マイナー氏(サンブリッジ代表取締役会長兼グループCEO)は日本オラクルの初代社長として知られ、日本オラクルの上場(99年2月にジャスダック、その後、東証1部)に伴うキャピタルゲイン(株式売却益)を「日本にフィードバックしたい」と99年12月にサンブリッジを設立するなど、ともにそれぞれの経験をベースにしてベンチャーを支援。加えてサンブリッジグループは、米国シリコンバレーにも拠点を置き、自らもグローバルに活動している。
 これまでのWeekendには、創業期のベンチャーを支援するシードアクセラレーターの代表者がパネラーとして多数参加したが、SBGVをはじめとするシードアクセラレーターも増え、日本にベンチャーが生まれ成長するエコシステムもでき始めている。そうしたエコシステムに既存の大手企業が加わり、ベンチャー企業と大企業とが文字通り、「パートナー」としての関係になれば、さらに日本にでも起業を志す人が増える。今回のWeekendで、筆者(松浦)は強く、そう感じました。
 次回のWeekendは10月18日に開催。また12月11日には「Grand Finale 2013」が開かれます(右上のポスター参照)。今回、プレゼンした6社の本社は1社がつくば市、他はすべて都内で、首都圏の企業ばかりでし画像たが、昨年の「Grand Finale 2012」では、熊本県宇城市のearth and one〈代表取締役CEO・河野(かわの)秀和氏、手持ちの衣類を自由に装飾・加工できるサイト「U+」を運営〉が優勝(グランドチャンピオン)に輝いています。

日本コンピュータ・ダイナミクス株式会社(リンク)
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〈このブログ「ベンチャー温故知新」の4月23日の記事に「Innovation Weekend April」を掲載。また昨年の「Grand Finale」は12月8日に掲載。その前のWeekendも昨年10月23日、7月25日、4月16日に載せていますが、今年のMayとJulyは、すみません、スケジュールの都合で取材できませんでした〉
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