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zoom RSS 三菱UFJ技術育成財団が29年度第1回助成金交付先-82件から低炭素、スマートウェア、バイオ等の6社

<<   作成日時 : 2017/09/12 16:43   >>

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社歴を超えて新事業挑戦−福岡県、岡山市などの地方元気企業

 公益財団法人 三菱UFJ技術育成財団(略称・MU−TECH=ミューテック、理事長・玉越良介氏=三菱東京画像UFJ銀行 特別顧問、本部・東京都港区)はこのほど、平成29年度(2017年度)第1回研究開発助成金の交付先を決定した。応募(申込)があった82件の中から選定されたのは、導電性繊維を使ったスマートウェアをはじめ、腐食する社会インフラ、遺伝子、抗菌などの最先端分野で独自の製品開発を目指すベンチャー企業(VB)・中小企業6社で、福岡県、仙台市、京都市、堺市、岡山市など、本社が東京以外の企業ばかり。東京の企業が選ばれなかったのは、極めて稀なケースだが、6社のうち5社が2007年から2015年の間に設立されたのに対して、1社は1980年の設立で、社歴の長短を超えて、革新的な事業に挑戦する元気な地方企業の一端をうかがわせるような助成金交付先となった。

35年間で334件に交付、総額9億9500万円-10月末まで第2回公募

 同助成金は設立や創業、あるいは新規事業開始後5年以内の中小企業、個人事業者が取り組む研究開発プロジェクトを全国から公募し、新製品・新技術開発を支援する制度で、毎年度、4月1日〜5月31日と9月1日〜1画像0月31日の2回に分けて募集。特に技術面の新規性・高さ、事業化の可能性などを審査委員会(委員長・石井威望 東京大学 名誉教授)で検討し、最大300万円を交付している。
 今回の決定により、同財団が1983年(昭和58年)12月に設立されて以来、これまでの35年間で助成金を交付した件数は334、総交付金額は9億9500万円になった。
 助成金の上限は平成22年度から24年度までは100万円だったが、25年度から、それ以前の300万円に再び増額している(一時期は上限が500万円。右上の表は左から申込件数、交付件数、交付金額=単位1000円)。

超音波溶着、さびと反応性塗料、壊れないギア、入れ歯用調整材

選定された6社の社名、代表者名、本社所在地、設立年月、研究開発プロジェクトは次の通り(すべて株式会社で社名の株式会社は略)。
           ◇             ◇          ◇
〇アドウェルズ〈中居 誠也氏、福岡県筑紫郡那珂川町、2007年10月、低炭素社会に貢献するCFRTP(炭素繊維強化熱可塑性プラスチック)超音波3次元連続溶着装置の開発
〇エーアイシルク〈岡野 秀生氏、仙台市青葉区、2015年6月、エーアイシルク電極(導電性繊維)を活用するスマートウェアの開発〉
〇京都マテリアルズ(山下 正人氏、京都市西京区、2012年2月、厳しい腐食環境にある社会インフラを救う「さびの科学と反応性塗料」の研究開発
〇向陽エンジニアリング〈山下 直伸氏、堺市北区、1980年2月、トルクリミッター機能付ラチェットギア(壊れないギア)「Nロックギア」の研究開発〉
〇TBA(犬飼 忠彦氏、仙台市青葉区、2013年7月、ワンステップマルチ遺伝子検査システムの開発)
〇メディカルクラフトン〈松尾 健哉氏、岡山市南区、2015年4月、入れ歯裏装用粘膜調整材(医療機器)に安全で持続性のある抗菌性能を付与する技術開発及び上市〉
           ◇            ◇           ◇

交流会や株式保有等も-全国の中小・VBの地道な支援こそ大切

 同財団は三和銀行(当時)の創立50周年記念事業の一環として、ハード型(技術指向型)中小企業を支援しようと三和ベンチャー育成基金の名称で設立され、2007年度(平成19年度)までは助成金交付と並行して、研究開発プロジェクトに対する債務保証も手掛けていた。現在は債務保証はしていないが、2012年度(平成24年度)からは助成金交付先企業や債務保証先企業に対する株式保有も始めるなど、支援策の幅を広げている。
 これは「1社につき500万円以内、議決権の過半数を超えない範囲」で投資し、中長期的に経営基盤を強化するのが目的で、株式を保有した企業は、まだ1社だけだが、同財団の助成先、債務保証先企業は総計600ほどにも上り、こうした企業の経営者と監査法人、税理士法人、金融機関、事業会社などの賛助会員との交流会や勉強会画像も開いている。
 最近は日本のベンチャー企業(VB)に対するベンチャーキャピタルなどの投資額が米国のシリコンバレー並みに大型化する例が増えるとともに、急成長するVBも出てきている。
 そうした傾向は大いに歓迎されるが、同財団のような全国の中小・VBを地道に応援する活動も日本経済の活性化にとって、大きな意義があると言えよう。
     日本コンピュータ・ダイナミクス株式会社(リンク)
           ◎            ◎            ◎
〈前回(平成28年度第2回)の助成先については、このブログ「ベンチャー温故知新」の今年(2017年)02月17日、同第1回は2016年09月12日の記事に書いています。併せて参照して下さると幸いです〉
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