松浦利幸「ベンチャー温故知新」VBの歴史と最新情報

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zoom RSS 京都市ベンチャー企業目利き委員会-東京と京都の医療・バイオ2社をAランク認定-20年超で計128件に

<<   作成日時 : 2017/10/25 12:08   >>

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「お金に恵まれていたら、うまくいかなかった」-永守委員長が講演

 京都市ベンチャー企業目利き委員会〈委員長・永守重信 日本電産株式会社 会長兼社長(CEO=最高経営責任者)〉はこのほど、2社の事業プランをAランクに認定した。認定されたのは「ドライ症候群の予防・治療薬の画像開発」、「高品質で安定生産できる心筋細胞の作成」を目指す東京と京都の会社で、それぞれ2013年、2016年設立の新しいベンチャー企業(VB)。同委員会は1997年(平成9年)4月に設置され、業種、地域、企業、個人事業主を問わず、革新的で独創性のあるビジネスプランを募集し、経営者、事業の実現可能性、競争力などを審査。成長可能性が高いプランをAランクに認定している(下段の図、参照)。
 前回(3月)の認定までの20年間で申請のあった563件の中から126件を認定。今回の認定により、認定件数は計128件になった。認定された企業のうち、これまでに上場したのは3社と少ないが、7月24日に開かれた同目利き委員会20周年記念事業における講演の要旨を掲載している公益財団法人京都高度技術研究所の機関誌「ASTEM NEWS 77 Sep.2017」には、次のような言葉が並んでいる。 (冒頭の委員会のメンバーのうち佐和氏と辻氏は副委員長)

国内で相手にされず米国へ、「足らざるをどう補うか」-が力になる

 永守 委員長=「若く、経験もない従業員3人の会社なんて…国内ではどこへ営業に行っても門前払い。仕方がないから渡ったアメリカで最初に契約したのは、大企業の……」「尋ねられたのは『当社にどんな貢献ができるか』という一言だけです。『モーターを小さくできる』と言うとサンプルを依頼され…」「経営環境が良く、お金に恵まれていたら、きっとうまくいかなかった」「…『世界初』の製品を作るのに、できない理由を探しても意味はありません。……若さと熱意で愚直に時間をかけ…」
 辻 副委員長=「『実績がない』という理由で国内の大企業には全く相手にされませんでした。興味を示してくれたのは、アメリカの大企業……新規性や有用性を認めれば、迷わず発注してくれました……地域に市場がなくてもグローバルに展開すれば顧客をつかめる…」「『足らざるをどう補うか』を考えることが、何より成長のエネルギーになる」
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 今回、認定された2社の社名、代表者名、本社所在地、設立年月、事業プラン(開発テーマ)は次の通り。

 〇SHIODAライフサイエンス株式会社〈塩田 清二氏、東京都港区、2013年5月。涙液・唾液分泌の促進効果があるPACAP(下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド)より、より強く長時間にわたり作用するPACAPのアゴニスト(Agonist)を開発し、ドライ症候群の新たな予防・治療法の開発と創薬展開を図る〉
 〇株式会社マイオリッジ〈牧田 直大(なおひろ)氏、京都市左京区、2016年8月。ヒトiPS(induced pluripotent stem )細胞を独自の誘導法により、高機能心筋細胞に分化させ、低コストで高品質・安定生産ができるプロテインフリー心筋細胞を作成し、医療・研究分野、創薬・製薬メーカー等に供給する〉

専門家派遣や随意契約による商品調達、事務所新増設等で支援

 こうした認定企業に対して京都市は、京都高度技術研究所(ASTEM)の専任コーディネーター画像によるサポートをはじめ、京都市の随意契約による商品調達、弁護士・公認会計士・中小企業診断士等の専門家の無料派遣、融資、京都市内での事業所の新増設に対する補助、ビジネスプラン発表会のほか、京大桂ベンチャープラザやクリエイション・コア京都御車(ともに独立行政法人 中小企業基盤整備機構が運営)への入居時の賃料補助など多様な支援策を揃えている。

雇用を生み、社会貢献する企業を育てる-大学、金融機関も応援

 永守氏や辻氏のような、京都で創業し、ゼロから大きな壁を乗り越えて国際的に事業を発展させた経営者(起業家)が“手弁当”で委員を務め、「多くの雇用を生み、社会に貢献する企業を育てるべく、これからも尽力…」(永守氏)という“熱い思い”で目利き委員会の活動に取り組んでいるうえ、「京都には、大学や金融機関、行政といった『応援団』もたくさんいます」(辻氏、ともに「ASTEM NEWS 77 Sep.2017」より)というところに、同委員会の大きな特色と強みがあると言えよう。
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    日本コンピュータ・ダイナミクス株式会社(リンク)
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〈目利き委員会の事務局は公益財団法人京都高度技術研究所 中小企業成長支援部 電話075-315-3645と京都市産業観光局 新産業振興室 同075-222-3324。
 前回のAランク認定に関しては、今年(2017年)04月11 日の記事「京都市ベンチャー企業目利き委員会-4社をAランク認定…」に書いています。併せて参照してくだされば幸いです〉
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