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zoom RSS パソナが「国際交流プログラム 30周年記念シンポジウム&感謝…」-「夢を持って…」は世界の若者に共通

<<   作成日時 : 2018/06/06 19:56   >>

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次世代が良い人生を送れるように教育しようという思いこそ大切

 雇用インフラの創造を事業とする株式会社パソナグループ(代表取締役グループ代表・南部靖之氏、東証1部画像上場、以下、社名の株式会社は略)は5月29日、本社「JOB HUB SQUARE」(東京都千代田区大手町)で、「パソナ国際交流プログラム 30周年記念シンポジウム&感謝の集い」を開催した。同交流プログラムはパソナグループが30年前の1988年から、海外の学生を夏休み期間中に日本に招いて、相互理解とグローバル人材の育成を支援しようと取り組んでいる活動で、シンポジウムでは「グローバル化に向けた日本の『意識改革』」をテーマに、ジェラルド・カーティス コロンビア大学名誉教授が基調講演した後、竹中平蔵 パソナグループ取締役画像会長(経済財政政策担当大臣、総務大臣等歴任、現在・東洋大学教授等)をモデレータに、カーティス氏、黒川清 政策研究大学院大学名誉教授(カリフォルニア大学ロサンゼルス校=UCLA、東京大学などの教授等歴任)、正宗エリザベス 淡路ユースフェデレーション専務理事(オーストラリア外交官としてアジア各国に駐在)がパネルディスカッション。特に各氏からは、長年にわたる国際的な経験を基に、「日本人は内向きで、失敗することを恐(怖)れリスクをと(取)らない。良いことでも悪いことでも上役に言われた通りにする」「自分の責任でキャリアを創っていこうとしない」などの厳しい批判がされる一方、「夢を持って生きようとしているのは、世界の若者に共通する。問題は大人のほうで、次の世代が良い人生を送れるように教育していこうとする思いこそ大切だ」など、熱のこもった議論が交わされた。

米国から中国、ベトナムなどアジアの大学に…463名が130社に

 シンポジウムは最初に、パソナ国際交流プログラムが米国ハーバード大学のビジネススクールの学生(大学院画像生)を招いて始まり、その後、中国、香港、台湾、ベトナム、インドネシア、インド、マレーシア、韓国などの大学に拡大。これまでに463名の学生が招かれ、130の日本企業にインターンとして受け入れられたことや同プログラムのアルムナイ(Alumni=修了生、同窓生)の声がスライドを交えて紹介されるとともに、南部代表が「これからも皆様の協力で交流プログラムを続け、成功させていきたい」と力強く挨拶した。

50数年間、日米の大学で教育−リスクとらず、失敗を恐れる日本

 その後、講演したカーティス氏は「東京オリンピックが開かれた1964年、23歳の時に日本に来て、2020年の東京オリンピックが開かれる時は80歳」「私は政治学者として50数年、日本と米国を行ったり来たりして、(両国の)大学で教えている」という経歴だけに、流暢(ちょう)な日本語で「南部代表が日米経済摩擦が起こっていた時に画像国際交流プログラムを始めたのは大きいこと」と語り始め、「今の日本が直面しているグローバル化」について、「グローバル人材の定義はわからないが、非グローバル人材はどういう人かと考えると、内向き、消極的で、失敗することを恐れリスクをとらない。良いことでも悪いことでも上役に言われた通りに行動する。また、自分の国以外に興味を持たず、それを問題と思わない。異文化の人とコミュニケーションができないといった人で、こういう(日本人の)意識を改革することが必要だ」と主張。「そのために大事なのは教育で、テクノロジーの発展が速く、グローバリゼーションが加速し、絶えず新しい考え方で対処しなくてはならない時代なので、学校だけでなく、社会人になってからの教育も重要」だと強調しながら、「日本の大学は全く競争のない社会主義社会。学生に一生(所)懸命教える先生も、論文を書かず毎年同じノートで講義している人も給料の差はほとんどなくて、年功序列。米国では50〜60%の差があるのはよくあること」と指摘した。

コロンビア大学の留学生-日本は9番目、ビジネススクールは数人

 併せて、「多くの外国人が日本の大学に来るのは良いことだが、日本の防衛大学校に来る留学生は最初の1年間、集中的に日本語の勉強をする。しかし、留学生が日本語の単位を取らないまま卒業するような大学もあっ画像て、これでは帰国してから“日本の専門家”と思われても日本語ができず、変な国際化になってしまう」と日本の大学のグローバル化の問題点を挙げるとともに、「コロンビア大学に今、留学している1万4000人のうちの3分の1以上が中国からで5700名。次いでインドが1100名。カナダ、韓国……と続いて、9番目が日本で300人。ビジネススクールの来年6月の卒業生650人のうち、日本人は5名。今年入って再来年、卒業する人で日本から行く人は3人だが、うち2人は日本の会社で働いている中国の女性」「ビジネススクールに個人で行くと1年間に6万ドル以上かかるが、バブル崩壊前は、会社が社員を留学させていた。しかし今は、個人も行かないが、会社も投資をしない。これはおかしい」と批判した。
 〈左上の写真はパソナグループ本社(本部)〉

起業し失敗した人を雇う意識改革を-識字率、勤勉などで強さも

 一方で、「ある日本の自動車会社の社長と話をしたら、『大学院でベンチャー(VB)を起業して失敗した人を雇う。その勇気、イマジネーションが貴重だ』と言っていた。こういう意識が広がるのが急務だ」と力を込め、「英語はインターナショナルに使われているが、1つのツールで、通訳、翻訳者を使ってもいい。大事なのは、異文化の人に伝えることのできるコミュニケーション能力で、外に通じる言い方、表現をしなくてはいけない」「だが、日本は識字率が100%で皆、数学もできる。日本の会社に勤める人は服装もマナーもチームワークも良く、勤勉。それに足して、良いグローバル人材を出せば明るい将来になる」と日本の強さも列挙し、講演を締めくくった。

グローバルな視野がないとビジネスチャンス失い、若者も来ない

 このカーティス氏の「問題提起を受けて」、竹中氏がパネリストに感想を求めると、黒川氏は「カーティス先生が最初に『50数年間教育者をしてきた』と言ったが、こういうことを言う人は日本の大学にはあまりいない。『研究者画像だ』と言う人はいるが……。教育は次の世代への思いだ」と感慨深くコメント。正宗氏は「淡路ユースフェデレーションで30名の外国人をお預かりしているが、日本人は失敗を恐れる。(今の社会の仕組みでは)自由に自分の将来を創っていけると思っていない。本人も社会も変わらなくては……」とカーティス氏の意見に賛意を示した。
 その「失敗を恐れる」ことに関連して竹中氏は「1つの理由は破産法制が厳しいことで、日本では破産したら、みじめで大変だ」と強調。またカーティス氏は「リスクを恐れる」ことに関して、「米国では上の人がリスクをとろうとする人を評価する。日本でも『リスクをとれば損しない』という意識が会社を運営している人の間にできるかどうかだ。その点、パソナは良いサンプル。南部代表はリスクをとる人を雇い、イノベーションを考える人を使う」「日本の国内市場を相手にして日本人だけを雇っていても、グローバルな視野を持っていなければビジネスチャンスを失う。また、若い人が変わってきているので、グローバルになって(やる気のある)若い人たちが働きたくなる会社にしなくてはならない」と力説した。 (右上の写真は左から竹中氏、カーティス氏、黒川氏、正宗氏)

「とにかく外に行け」-日本人の団結力は良い面もマイナスの面も

 一方、黒川氏は「日本の大学は東大を頂点とした家元制度。また、三菱(UFJ)銀行の人は住友銀行に移れないし、経産省のキャリアも文科省に移れない。そんな国はない。これが日本人のマインドになっているから失敗を恐れる」と解説するとともに、「私は学生に『とにかく外に行け。とんでもない世の中だと実体験をしろ』と言って画像いる」と海外に行くことの重要性を訴えた。
 この日本人のマインドに関して、正宗氏は「『会社に自分の身を託して、年功序列で失敗してはいけません』というような社会では、海外に留学したり、チャレンジするより、居心地の良い日本にいたほうがいいということになってしまう。日本人は団結力が強く、それは良い面もあるが、マイナスの面もある」と分析。カーティス氏も「私は50数年、日米を行ったり来たりしているが、米国人であることを疑ったことはない。日本人はアイデンティティが強い民族だが、もう少しリラックスして外国のアイデアを取り入れてもアイデンティティは変わらない」「留学にはお金がかかるが、留学した人は『人生が変わった』『貴重な経験ができた』と言っている。これが会社にとって役に立つ。夢を持って生きていこうとするのは世界の若者に共通していることで、教育している大人のほうに問題がある」と主張。最後に竹中氏が「国際交流プログラムを40周年、50周年に向けて進めていけるように我々も努力するので、皆様方に支えていただきたい」と参加者に呼びかけ、シンポジウムは幕を閉じた。
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既成概念にとらわれず、多様な雇用インフラ創造に持続的に挑戦

 シンポジウムの後、社内の「ホワイエ」で「感謝の集い」が開かれ、多くの参加者が挨拶するとともに、和やかに交流しましたが、特に、パソナグループ(パソナ総合研究所)のアドバイザリーボードの1人である明石康 元国連画像事務次長が挨拶の中で、南部代表の「(事業に対する)持続力」を評価していたのが印象に残りました。竹中氏がパネルディスカッションで「パソナは南部代表が一番リスクを持ってチャレンジする人で、周りがそれを抑えているかもしれない……」と語っていましたが、筆者(松浦)も「既成概念にとらわれないで、多種多様な雇用インフラの創造にチャレンジする南部氏の持続力」を改めて感じました。
 日本コンピュータ・ダイナミクス株式会社(リンク)
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〈パソナグループのことについては、時々、このブログ「ベンチャー温故知新」に書いています。牧場、ベンチャー企業や地方支援、国内外に向けた情報発信など多彩な機能を持つ本社「JOB HUB SQUARE」については、昨年(2017年)08月30日の記事に、また「佐賀市が東京駅前の『JOB HUB SQUARE』に『ビジネスハブ』開設」を同10月22日に掲載しています。併せて、参照して下されば幸いです〉
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